雪が谷大塚で塾をお探しのみなさん、geenus(ジーナス)雪が谷大塚校です。
今回は日本史の勉強のやり方について見ていきます。
日本史は、進学した学校によって進め方が大きく異なるので、そこにも言及したいと思います。
日本史の勉強には、大きく分けて①インプットと②アウトプットの2つのステップがあります。
それぞれについて、どのように勉強を進めていくか見ていきましょう。
インプット
インプットとは知識を頭にいれていく過程のことです。
日本史に限らず、社会科目の勉強をうまく進めていくためには、知識のインプットをいかに効率よく進められるかが鍵になります。
日本史において、覚えなければならないことは主に以下の3つです。
ポイント
① 歴史全体の流れ
② 細かい人物名や用語、年号
③ 関連する地図や史料
では、ひとつずつ見ていきましょう。
① 歴史全体の流れ
まず、日本史全体の流れを理解する必要があります。
当たり前のように思えますが、このステップができていない受験生はとても多いです。
歴史の流れがしっかり頭に入っていないと、どれだけ難しい人名や年号を覚えていても入試で高得点を狙うことはできません。
「日本史全体の流れを把握する」というのは、「歴史上のそれぞれの出来事の相関性を知る」ということです。
例えば、中大兄皇子や中臣鎌足らが中心となって行った「大化改新(たいかのかいしん)」は、なぜ起こったのでしょうか?
言葉自体は小学生でも知っているくらい有名ですが、前後の流れまで知っている人は意外と少ないと思います。
大化改新は、充実した国家体制を整えた唐(現在の中国)による侵攻を恐れ、それまで権力を握っていた蘇我氏一族による政治から天皇を中心とした中央集権国家への改革を進めようとして起こった政変です。
では、なぜ蘇我氏による政治では唐の侵攻に耐えられないと考えられるようになったのでしょう…?
日本史ではこのように出来事の流れを追っていき、歴史の全体像をつかむことがまず大切になってきます。
特に、論述式の試験がある大学を受験する人は、基礎となるこの部分を徹底的に頭に叩き込んでください。
勉強のやり方
学校の教科書や講義系の参考書を使って、ひとつひとつ流れを追っていきましょう。
ここでは全てを暗記しようとする必要はありません。
教科書や参考書を読みながら、わからないところは資料集で調べたり、友達や先生に確認したりしてください。
文章で書いてあることが理解しにくければ、図や年表を使って自分でノートにまとめたりするのも有効です。
学校で日本史の授業があるという人は、それも活用するのがオススメです。
先生の解説を聞きながら、教科書や資料集を確認して内容を頭に入れていきます。
先ほども述べた通り、このステップで全てを完璧にする必要はありません。
むしろ、何度も繰り返すことで歴史の流れは定着していきます。
一度に時間をかけるのではなく、受験までに何周もできるように計画を立てるのが良いと思います。
高校3 年生の夏前までには、少なくとも一周できているようにしましょう。
② 細かい人物名や用語、年号
人物名や用語とその意味大体の流れがつかめてきたら、細かい人物名や用語、さらには年号などを覚えていきます。
日本史の勉強と聞いてみなさんがよく思い浮かべるのは、この部分だと思います。
実は、先ほど説明した①の部分ができていると、この②の部分をとても効率よく進めることができるのです!
みなさんはテレビドラマを見ていて登場人物の名前が覚えられず、見るのが嫌になった、という経験はありますか?
おそらくですが、ほとんどの人が「ない」とお答えになると思います。
私たちがドラマの人物たちの名前をいとも簡単に覚えられるのは、登場人物たちがストーリーにのっとって順を追って出てくるからです。
ドラマを見ていくにつれて、その人の性格や周囲で起こった出来事など、様々な情報が頭の中で整理されていくことで、私たちは苦労せずにドラマの中の人物を覚えることができます。
反対に、全く内容を知らないドラマの登場人物を覚えるのはとても大変ですよね。
歴史も同じです。
流れをつかんでおくことで、細かな知識のインプットにかかる時間を大幅に短縮することができます。
勉強のやり方
通史が1周できたら、2周目以降と並行して一問一答などを使って細かな知識を頭に入れていきます。
ここで注意して欲しいのが、一問一答だけを使うのではなく、①の部分で使用した教科書や参考書を横に置いて、通史を確認しながら覚えていくということです。
こうすることで、歴史の流れに沿って効率よく暗記を進めることができます。
また、意味を確認する必要のある単語は、用語集で調べながら進めていくと良いと思います。
日本史には漢字が多く出てくるので、書く練習も繰り返し行うようにしましょう。
ここで①で覚えきれなかった部分まで暗記していきます。
③ 関連する地図や史料
「歴史なのに地図や史料の勉強をする必要あるの?」と、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本史で大学受験をするなら、ある程度このような知識を頭に入れておく必要があります。
思考力が重視される大学入学共通テストでは、今まで行われていたセンター試験以上に、地図や史料から情報を読み取る問題が増えてくると考えられるからです。
もちろん、私立大学や国公立大学の二次試験でも、地図問題や史料問題は当たり前に出題されます。
また、世界史に比べて日本史で特徴的なのは、原文を用いた史料問題が頻出という点です。
他の受験生に差をつけられないためにも、この部分は日本史受験をする上で必須になってきます。
勉強のやり方
基本的には学校で配られる資料集に載っている情報を確認していきます。
通史の確認のために使った教科書、参考書やノートの余白に、関連する地図のコピーなどを貼ると、分かりやすいです。
また、地図や史料の問題については、出題される部分がある程度限定されています。
そのため、問題演習の際に一緒に勉強していくのがオススメです。
問題集や過去問でといたものは、周辺知識の確認まで含めてきちんと復習して、その場で覚えるようにしましょう。
その他、専用の問題集を使うのも良いでしょう。
アウトプット
アウトプットとは、覚えた知識を使って実際に問題を解いていくことです。
知識はインプットしただけでは意味がありません。
時間のある限り問題演習を進めていきましょう!
問題演習をするときのポイントとは
重要なポイントは以下の2つです。
ポイント
① 繰り返し解くこと
② なぜ間違えたのかを考える
日本史の問題演習をする際にまず重要視して欲しいのが「繰り返し解くこと」です。
日本史に限らず、社会科目の問題集に取り組む時には、できない問題がなくなるまで一つの問題集をやりこむようにしてください。
1回目で解けた問題を繰り返し解く必要はありません。
間違えた問題だけを後から何度も確認できるように、解けた問題と解けなかった問題の見分けがつくようにしておきましょう。
もう一つ大切なことが「なぜ間違えたのかを考える」ということです。
ある問題を間違えてしまった時に、知っていたけれど思い出せなかったのか、そもそも知らなかったのか、勘違いをして覚えていたのか、一回一回きちんと分析をする癖をつけましょう。
そして見つけた知識の欠けている部分は、その場で確認して覚え直すようにします。
こうすることで、問題演習に取り組むたびに確実に知識の穴を埋めていくことができるからです。
また、過去問演習をするときは、大学ごとの問題の特徴を把握するようにしてください。
日本史では、大学ごとに頻出分野が決まっていたり、問題形式が固定されていたりすることが多いです。
特に自分が受験する予定の大学の過去問は注意してみるようにしましょう。
本格的に日本史の勉強を始める前に一度志望校の過去問を確認すると、実際に試験でどんなことを聞かれるのかイメージが湧いて勉強しやすくなるかもしれません。
基本的には①インプット→②アウトプットの順番で勉強していきますが、必要に応じて補充しながら進めていくのがオススメです。
知識を覚えている段階で確認のために問題を解いたり、反対に問題演習をしていて苦手だと思った部分はもう一度覚え直すようにしたり、工夫しながら勉強してきましょう。
学校の授業との兼ね合いについて
学校の日本史の授業の内容や進度は、それぞれの高校で大きく異なります。
前にも書いたように、日本史は学校の授業をうまく活用することでより効率よく勉強を進めることができるのです。
ここでは、学校の授業を最大限利用するための勉強法について書いていきたいと思います。
高3の夏までに日本史全体の授業(通史)が終わる人
高3の夏までに日本史全体の授業(通史)が終わる人
高1・高2から日本史の授業があったり、学校の補習などで進めたりしていて、高3の夏休みに入る前に通史の授業が終わる予定の人は、学校の授業の内容をしっかりと復習することを意識してください。
それが確実にできていれば、高3の夏休みから細かな知識の暗記や問題演習にたっぷりと時間を割くことができます。
定期テストの際に、単語の暗記だけではなく流れまで理解できるように意識するだけで、問題演習を始めてからの力のつき方にぐんと差がつきます。
だからといって油断は禁物です。
早くに通史が終わるということは、その分忘れやすいということです。
学校の授業で通史が終わってからも、演習の間に意識的に復習を挟むようにしましょう。
高3にならないと日本史の授業がない人
高3にならないと日本史の授業がない人
高3生になるまで日本史の授業がない人は、高2から通史の勉強を進めるようにしましょう。
教科書や講義系の参考書を使って進めるのが良いです。
まずは読み込んで、わからないことは用語集や資料集で調べるようにします。
高3時の学校の授業内容が復習になるように計画を立てて進めましょう。
こうすることで、受験までに自然と通史を2 回以上通せることになり、意識的に歴史の流れが理解できるようになるからです。
学校の授業が歴史の途中から始まる人
学校の授業が歴史の途中から始まる人
このタイプの人は、学校でやらない部分を講義系の教科書や参考書を使って自分で進めていくようにしましょう。
例えば、学校の授業は江戸時代から始まるけれど、受験では江戸時代よりも前のことも出題される、という人は、江戸時代までの部分を学校の授業と並行して自分で勉強していくのがオススメです。
後から授業で原始時代をやる予定だったとしても、並行して自分で進めておいた方が良いです。
「後からどうせ授業でやるのに自分でやるの?」と思うかもしれませんが、このような勉強法をオススメするのは、通史をできるだけ早い時期に一周しておきたいからです。
受験直前期にようやく全部が終わった、という状態では、そこから細かい知識を覚えて問題演習が完璧になる前に受験本番を迎えることになってしまいます。
自分で進めるのは大変ですが、頑張ってみてください。
日本史は覚えることが多いですが、努力次第でいくらでも伸びる科目です。
単なる暗記ではなく、理解することに重点を置いて取り組んでみてください!
オススメの参考書
インプット系

時期:いつでも
レベル:誰でも
おすすめポイント
・全体の流れが掴める
・論述試験でもそのまま使える言葉遣い
・幅広いレベルの入試に対応している

時期:いつでも
レベル:高校1・2年生~日東駒専を目指す人
おすすめポイント
・全体の流れが実況中継よりもコンパクトにまとまっている
・共通テスト対策にはちょうど良い
・教科書よりもわかりやすい言葉遣いで読みやすい
・基礎的な内容に絞られているので、MARCH 以上の入試対策としては不十分

時期:いつでも
レベル:MARCH 以上を目指す人・日本史で得点を稼ぎたい人
おすすめポイント
・全体の流れが掴める
・教科書よりもわかりやすい言葉遣いで読みやすい
・早慶の入試に対応できるような細かい情報まで網羅されている
・年表に情報がまとまっていてわかりやすい
・この参考書を完璧にすれば、基本的にどこの入試でも対応できる
・他の講義系の参考書と比べて内容量が多いので、読破するのに時間がかかる

時期:通史が終わってから
レベル:通史が終わった高1・2年生~MARCH の基本レベル
おすすめポイント
・山川の教科書に対応している
・基本的な内容に絞られている
・東進の一問一答に比べるとかなり情報量が少ない
・MARCH 以上を目指す人には不十分かも

時期:通史が終わってから
レベル:MARCH 以上を目指す受験生
おすすめポイント
・大学入試におけるカバー率が高い
・単語ごとの頻出度合いが明記されている
・他の一問一答に比べてかなり細かい情報まで載っている
・MARCH より下を目指すなら覚える必要のない部分も多々ある

時期:通史が終わってから
レベル:私大や国公立の二次試験で日本史を使う人
おすすめポイント
・大学入試におけるカバー率が高い
・史料問題に特化している珍しい教材
・史料ごとの頻出度合いが明記されている
・横に現代語訳と解説がのっている
・この一冊をこなせば史料問題の対策としては十分と言える
アウトプット系

時期:通史が終わってから
レベル:通史が終わった高1・2年生~共通テスト対策
おすすめポイント
・インプットとアウトプットの両方が一冊でできる
・情報が図や表にコンパクトにまとめられている
・基本的な内容に絞られているため、共通テスト対策に最適
・一問一答に比べると情報量が少なく、私大や国公立の対策には不十分
・同シリーズで文化史に特化したものがあり、文化史が苦手な人にはそちらがオススメ

時期:高3夏~受験期
レベル:私大や国公立の二次試験で日本史を使う人
おすすめポイント
・幅広いレベルの問題が掲載されている
・テーマ史や論述問題まで網羅している
・文系で日本史受験をする人向け
・各大学の過去問に取り組み始める前の一冊として最適

時期:いつでも
レベル:私大や国公立の二次試験で日本史を使う人
おすすめポイント
・日本史を勉強する上での辞書のようなもの
・わからない単語を調べることで周辺知識まで理解できる
・山川の教科書と対応している

時期:高3夏~受験期
レベル:論述式の試験を受ける人
おすすめポイント
・論述式試験の頻出テーマ60 個についてまとめられている
・論点についてまずは自分で解答を作成し、その後で模範解答を読み込むことで、論述試験でどん
なところに重点を置いて書くべきなのかがわかる
おわりに
日本史は早く通史を勉強した後、2周目以降の問題演習で細かい知識を定着させていくことが大切です。
いつまでに何を終わらせれば良いのだろう?、どう対策したらよいのだろう?という方もいらっしゃるかもしれません。
geenus 雪が谷大塚校では、全ての高校生・既卒生・保護者様を対象に、無料で受験相談を行っています!
高校生の方は学校帰りに立ち寄っていただいても良いですし、保護者の方は午前中やお仕事帰りにぜひお立ち寄りください。
この機会に一度、geenus 雪が谷大塚校に受験相談に来てみませんか?
無料受験相談へのお申し込みはこちら
お電話でのお申し込みは03-3748-8780までお願いします!